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OCT MAGAZINE

2006.10.19

違う意味での最小限住宅

 おはようございます、田中です。世間では隣国の北朝鮮の核実験により安保理制裁決議や周辺事態法をめぐる国会論争などキナ臭いムードになっていますね。日本は1945年のポツダム宣言から61年間、戦争から無縁の時代を歩んできましたが、いよいよそういった「当たり前の平和」から違う局面を迎えるのかなと感じさせられます。「平和」を念仏のように唱えるだけでは真の「平和」は得られない、なんらかの積極的努力がなければ「平和」を維持できない時代に入ってきているのだと感じさせられます。僕らの世代は生まれたときから「平和」で、おそらく死ぬまで「平和」が続くと当たり前に思っている世代です。でもそう言った既成概念は捨てなければならない時代がやってきたのかもしれません。
 ところで話は全然変わるのですが、以前お話した西成区岸里東の建売物件が竣工いたしました。(写真をアップしておきます)この物件は特に建築的アピールはないのですが、計画段階で非常に苦労した物件です。まず、用地(敷地)取得の際に同業のデベ数社と競合になり当社が最高値で購入いたしました。しかし、分譲の際には近隣相場が3300~3500万円のところを何と3000万円を切った2980万円といった価格を実現しております。それを実現する為に行った手法が建売住宅における「最小限住宅」です。
 まず、この物件は2方向の接道を持つ102㎡の旗型の変形地だったのですが、それを1区画当たり51㎡という敷地に分けました。この50㎡という単位が「ミソ」で、都市銀行で借りられる住宅ローンの敷地条件が「最低50㎡以上」という区切りがあります。そのギリギリを狙った訳です。当然、旗型地ですから1の区画はは整形地ですが、もう一方は通路状の敷地を含んだ旗型地となり、通路部分を除けば約40㎡という狭小地となります。この狭小地に4LDK(DK)+車庫というプランを入れなければなりません。なぜ「4LDK(DK)+車庫」かというと不動産流通における一戸建ての最小規格だからです。もしこれが「2LDK」だったり「車庫無し」だったりすると今後、売却する際に価格査定のポイントが下がってしまいます。ですから4LDKと表記できるようなプランを入れました。(但し、実際は3LDKという使い方になると思いますが・・・)そういった、ミニマムサイズの中で資産性を確保した事業計画とした案件でした。
 学校では触らない話ですが、建築における資産性という観念を皆さんはどう思っているのでしょうか?僕は以前、不動産仲介の営業マンとして建築家が建てた住宅を中古住宅として売らせて頂いたことがあるのですが、そのときは燦々たるものでした。一室空間化された良いプランの家でしたが、実際、売却できたのは相場の三割安で、ようやく買い手が付きました。売主もがっかりされていました。
 これは僕の考えですが、建築というのはそこに敷地があり、いわゆる不動産となります。個人レベルで言えば、現預金以上に家という不動産は大きな保有資産だと思います。ある時は自分や家族の夢を実現する為の原資になったり、ある時は一切の借財を清算し、出直す為の担保となる物です。しかし、その建築を「作品」というお題目だけでその資産性を無視してはいけないと思います。ただで創れる建築はないですし、ただという敷地はありません。もし「作品」性を重視するのであれば、絵画や彫刻といった美術品のように一つの市場を作るべきだと思います。美術品には画廊や美術商といった市場を下支えする人たちがあり、「作品性」と「資産性」を両立しております。ですから美術品を購入される人は資産的消失を気にすることなく、純粋にその作品性を堪能できるのだと思います。
 しかし、建築には「作品性」はあっても「資産性」という論議がなく、高耐久消費財(原価償却資産)のように扱われています。名のある有名建築も時が過ぎ、機能性が衰えていくと文化財にでもならなければ消えて行く運命です。(保存活動をするNPOなどはありますが)良い建築が不動産流通とは違う市場で流通できれば建築の「作品性」が「資産性」の向上に繋がるのでしょう。たとえば、建築学会賞に選ばれた作品は後世いつでも学会の買取機構が作品性に応じた価格でいつでも買い取る保証を付けるとか。そうなれば世間での建築家の必要性や設計の重要性が高まるのではないかと思います。
 ところでこのブログにはアクセスカウンターが無いのでどれだけの方がアクセスしているか分かりません。しかし、管理画面では日曜日から翌土曜日までのアクセス数をカウントしていますので掲載しておこうと思います。
 1週間(10/8~10/14)のアクセス数  77   総アクセス数  5317
 では、今週はテスト期間なので来週、学校で会いましょう。