建築設計学科では建築デザインをまちづくりやコミュニティづくりにまで広げて課題に取り組んでいます。
これまでに大阪市福島区や北区守口市と連携するまちづくり課題を実施し、学生たちの提案の一部は実現に至ったものもあります。2022年度は寝屋川市萱島地域にて、1年生がまちの調査と提案を行いました。

新型コロナウイルスの流行に伴い、思うような調査・製作ができない時期が長く続きましたが、寝屋川市さんのご協力もありリアルなまちの調査をはじめ、寝屋川市職員さんへの発表会の場を設けてくださりました。

このプロジェクトはまず、まちの調査から始まりました。学生を6チームに分け、チームごとに調査をします。萱島地域は、古くからの路地や文化住宅、商店街がある、とても魅力的な地域なのですが、近年、建物の老朽化もあり、活気が徐々になくなってしまっている地域です。そんな地域の魅力をもっと拡げたい！そんな提案を市からは求められていました。

まちを実際に歩いてみて、気になったことや、魅力的に感じたことなどを話し合い、より深く調査する内容や、それを踏まえた提案を考えていきます。まち歩きをして写真を撮ったりメモをしたりしたものと、資料等で調べたものを持って学内でディスカッションを繰り返します。

もちろん、実際にまちづくりに関わっている担当教員も含めて一緒にディスカッションを行います。

議論を重ねたものを、一旦中間発表として進捗状況の発表会を学内で行い、その際にも寝屋川市のまちづくりに関わる職員さんにお越しいただき、ご意見を頂戴しました。

そこから休みの間にも調査や意見交換を続け、最終発表は多くの市職員さんの前での発表の場を頂戴し、賞の授与もいただきました。

学校側からは非常勤の吉井歳晴先生と、萱島のまちづくりアドバイザーで建築家の香川貴範先生に、審査員として賞を決めてもらいました。

市からの賞は、チーム名「あっぷる組」の「かやしまにあ」に。

この提案は、萱島のまちの魅力的なモノやコトを建築的な分析と共にテーマごとに「お店のファサード特集」や「看板特集」として、冊子にまとめるという提案でした。

また、吉井先生と香川先生からの賞は「いつのまにかやしマスタ」に。この提案は、まちに多く存在する掲示板をヒントに、そこに書かれている防災的な情報をより分かりやすく伝えるための方法として、まちの中のいくつかの場所にそこに合ったデザインを加えることを提案したものでした。

どちらの案も、入念な調査を踏まえた上での、説得力のある提案だったと思います。

設計学科では、今後もより”リアル”に近い学びの場を続けていきたいと思っています。そして、萱島地域の発展に今後とも少しでも力になっていきたい次第です。